囃子方と祇園囃子

◆四条通での囃子

13.四条通での囃子.jpg七月十七日午前八時三十分ごろ、おもむろに鉾は町会所から離れ、静寂の中、車輪の音を軋ませながら四条通を西に室町まで曳かれ町内出発のときを待つ。 稚児人形嘉多丸君の日除け幕が外され、ビルの谷間に太鼓の音が響くと囃子方の低く重い掛け声と音頭取りの掛け声が重なり、笛、鉦が最初の音を出すと鉾が進み出し拍手が沸きあがる。曳き子の力強さと囃子方の厳粛さが鉾全体に漲る。「地囃子―出わか」を奏でながら鉾宿の前を過ぎるとき、一際大きな拍手と「行ってらっしゃい」の声がかかる。
午前九時、長刀鉾が出発、山が三つ入ると間髪置かず函谷鉾は改めて曳き出しの地囃子を囃し町内を後にする。14.四条通での囃子.jpg東洞院~高倉で「出鶴」、堺町の「くじ改め」で「出函谷」を囃す。寺町の御旅所で再び「出函谷」を囃すため、間に「出わか」を入れる。本社遥拝の後、長刀鉾の「辻回し」待ちで小休止。 進発後、四条河原町交差点進入前に「小松」に入り、「神楽―唐子―白山―「戻り囃子(地囃子)」と繋がり、この間囃子の短縮はできないので「小松」に入るタイミングが微妙であり、河原町西入の呉服店あたりを基準に経験で「小松」に入るタイミングを決めている。

◆四条河原町《辻回し》「松」

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悠長な「出鉾囃子」から「辻回し」の間に八坂神社に奉納する「神楽」「唐子」を囃し、「戻り囃子」の「地囃子」への繋ぎの曲「白山」で僅かづつテンポが上がり一転、軽快な「地囃子」に入ると鉾は河原町通に正対している。「地囃子」からすぐさま「松」に入る。「松」は落ち着いた曲であるが、一回しで鉦が「チキチン」を刻み続ける「流し」に入るがこの繋ぎ目で鉦と太鼓が"ズレる"瞬間があり、囃子方は緊張する曲である。「流し」に入ると緊張から一気に解放され、鉾は残り四分の三の巡行路を軽やかに進む。

◆河原町通での囃子

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神事の続く四条通から"華の"最初の辻回しを無事終えた函谷鉾はその緊張感から解き放たれたように河原町通を北上する。「松―流し」から「鶴―朝日」へ。蛸薬師通を横切り六角通あたりで小休止。ここで町内供奉者、車方、曳き子たちに湯茶の接待が行われる。再発進して「虎―小横」、三条通を横切るあたりで「函谷―美登里」。姉小路付近で囃子方全員が豆絞り(手拭い)で鉢巻をして巡行の残り半分へ気を引き締める。河原町御池の交差点進入前に「榊―初音」。「函谷」から「初音」までは軽快な戻り囃子の中でも函谷鉾独特の調子の良いもので高揚感とともに鉾は進み、「初音」で河原町御池の辻回しの割り竹に前輪を乗せる。