太鼓方

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テンポを緩急させ、掛け声を率先して掛ける太鼓はその太鼓の出来ひとつが囃子の〝ノリ〟や荘重さに関わり、囃子の要として重要な役割である。鉦の譜を完全に習得し、笛のメロディーや間を体得していなければ囃子の流れを作ることはできない。したがって譜に縛られることなく口伝や〝見て〟囃子を覚え、バチさばきを覚え、教わるわけである。

次曲の選曲、曲の切り上げ、終了を決定し、皆に知らしめるのも太鼓方で、稚児人形の後に座し「呼び出し」と呼ばれ、繰り返し囃される曲の最初のフレーズで笛のメロディーに合わせ歌うように発声し、曲名が書かれた帳面を開いて皆に見せる。 これは大音響の中で目によって確認するためである。これを鉦方は前から後ろへ、笛方は鉾の中にいる交代要員が曲名を伝達する。

このようにして四時間もの巡行中、四十数曲の囃子が繰り返し演奏される。 巡行時は鉾正面、稚児の両脇に二人が演奏し、 稚児の後ろに座す演奏者以外の年長者が呼び出し役として選曲、二人ほどが鉦方の後ろの角に座し鉦方への注意や演奏を束ねる。演奏の交代は年長者が決め、随時交代する。太鼓方昇格者は指導者から個人指導も受けるが、まず先輩から締太鼓の締め上げ方を習うことから始まり、良い音を出し、二つの太鼓の音の高さを揃えるまでには数年かかる。






祇園祭について、そして函谷鉾・保存会について、詳しくご紹介しております。「鉾や山を見る」・「巡行を楽しむ」だけでも良いのですが、その歴史、由来、願いなど多くの人々が積み上げてきたことを知って、実際の鉾や山をご覧いただくとより深く楽しんでいただけるのではないでしょうか。

そんな願いを込めてご紹介しておりますので、ぜひじっくり「函谷鉾」を知ってください。