戻り囃子

囃子方と祇園囃子一覧戻る

「地囃子(渡り)」「地囃子(筑紫)」「松―流し」「常目―萬歳」「巴、一二三(筑紫)」「一二三(渡り)」「若葉、小横」「虎、小横」「函谷―美登里」「榊―初音」「鶴―朝日」「末―神楽」「龍、立横」「竹―流し」「亀―四季、横」「翁、霞」「梅、一二三」「千鳥―流し」「若」「納め囃子(日和神楽)」

註:(渡り)(筑紫)は笛の曲名で鉦は同じ打ち方だが、太鼓は笛のメロディーに合わせて打ち方が違う。「 」内で―で繋がれた曲は全曲一回しで次曲へ移る。それ以外は前曲を数回(任意回)回して次曲へ移る。次曲の指定がないものは任意で別の曲に移る。

四条河原町で鉾が北へ向きを変えると囃子はいわゆる"コンチキチン"の軽快な「戻り囃子」に転じます。「戻り囃子」は基本的に二分の二拍子の四小節のリズムであるがテンポなどでオリジナリティを出す曲も多い。函谷鉾の「戻り囃子」は三十数曲あるがこのうち四ヶ所の「辻回し」では特徴のある決まった曲が囃され、他の曲は直進中に随時変更して囃される。「戻り囃子」の曲は1曲数十秒から三分間ほどで、繰り返し演奏され"呼び出された次の曲"に移る。これは明治期まで細い道を巡行してときに巡行列がしばしば停止するため、いつでも囃子を止められるようにしていたと思われる。「戻り囃子」で鉾が小休止のため囃子を中断するときは"中休み=終曲"の「若」を一回しして笛の高音一笛とともに一旦囃子を止め、"曳きだし"の曲「地囃子」あるいは「一二三」の囃子で鉾は再び出発する。

また、最後の「辻回し(四条新町)」から鉾宿(ほこやど)の町会所までの二百メートル足らずは鉦が単調なリズムを刻む中、笛方がいくつかのメロディをアドリブで奏で、太鼓方はそのメロディに合わせてアドリブで太鼓を打ち、町会所に帰町すると「納め囃子」を数回、徐々に速く囃して巡行を終える。

祇園祭について、そして函谷鉾・保存会について、詳しくご紹介しております。「鉾や山を見る」・「巡行を楽しむ」だけでも良いのですが、その歴史、由来、願いなど多くの人々が積み上げてきたことを知って、実際の鉾や山をご覧いただくとより深く楽しんでいただけるのではないでしょうか。

そんな願いを込めてご紹介しておりますので、ぜひじっくり「函谷鉾」を知ってください。