出鉾囃子

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「地囃子(曳き出し)」、「出わか」、「出函谷」、「出鶴」、「出葉津美」、「小松」、「神楽」、「唐子」、「白山」。

悠長なお囃子の「出」では鉾が進発するときに「地囃子」という"曳きだし"の曲で出発する。そして「出わか」、「出函谷」「出鶴」などの曲をまた「地囃子」で繋ぎ巡行する。町内出発時に「出わか」、くじ改め場で「出函谷」、寺町の御旅所(本社遥拝)では「出函谷」を囃すのが慣わしですが、四条通烏丸西入に位置し長刀鉾に次いで鉾二番(間に山三基が入る)の函谷鉾は「戻り囃子」に入る四条河原町の「辻回し」までの距離が短く、しかもその間、四条通では堺町での「くじ改め」、麩屋町で長刀鉾の「注連縄切り」などがあり鉾がしばしば待機のために停止します。このため御旅所までは曲数も少なく、鉾が停止して待機する時間があるときにはしばしば笛の高音一笛で囃子を中断し、再び進発するときには新たに「地囃子」から始めます。

四条河原町の「辻回し」で「戻り囃子」に移り「松」を囃すために四条河原町進入時に「小松―神楽―唐子―白山」―「戻り囃子」の一連の繋がった曲を囃します。寺町通南下の旧巡行路では御旅所と神事奉納曲の「唐子」の曲の演奏地点が一致していたのですが河原町北上の現巡行路になってからは東の八坂神社方向から北へ向きを変えることで帰路として「戻り囃子」に入ります。函谷鉾の囃子の場合、「小松―神楽―唐子―白山」と繋がって「戻り囃子」に入るため、鉾が北へ向くタイミングを逆算して長年の経験から「小松」に入るため「辻回し」の作業の進行具合が気にかかるところである。

祇園祭について、そして函谷鉾・保存会について、詳しくご紹介しております。「鉾や山を見る」・「巡行を楽しむ」だけでも良いのですが、その歴史、由来、願いなど多くの人々が積み上げてきたことを知って、実際の鉾や山をご覧いただくとより深く楽しんでいただけるのではないでしょうか。

そんな願いを込めてご紹介しておりますので、ぜひじっくり「函谷鉾」を知ってください。